錠剤やカプセルが集まった画像

以前はピルというと中・高容量ピルと呼ばれるホルモン濃度の高いものだったため、副作用も多く見られていました。しかし、1999年に低用量ピルが、2010年に超低用量ピルが認可されて以来は低用量ピルが主に使用されるようになっています。ピルに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンの作用により、体内の女性ホルモンの濃度が調整され妊娠しているようなホルモン量の高い状態が維持されます。それにより卵胞が成熟せず、排卵を止めることができます。

排卵が止まることにより、ほぼ100%の確率で避妊ができるため、ピルは避妊薬として利用されることが目立つのですが、実は女性ならではのお悩みを解消してくれる医薬品としても広く使用されている側面があります。それは生理痛の緩和です。

生理痛が酷い月経困難症の人はその原因は一つではありませんが、経血量が多いため生理痛が重いという人が多く、その場合は生理日の調整ができ、子宮内膜が厚くならないことから生理痛の症状が改善することが多く見られます。

月経困難症と診断された場合は保険適用で低用量ピルの処方を受けることもできます。そして多くの女性が悩まされているものにPMSもあります。PMSとは月経前症候群とも言われますが、その名の通り月経前になると体に現れる体や心の様々な不具合です。頭痛、乳房痛、便秘、下痢などの症状から、イライラする、鬱々とする、やる気がでない、集中力がなくなるといった心の症状まで人により様々です。その症状があらわれる時期も月経の2週間前から前日までと幅が大きいのですが、月経がはじまるとその症状は消えるという特徴があります。

また、PMSの症状は様々なものがありますが、同じ人には同じ種の症状が常にあらわれるという特徴もあります。PMSの症状に悩まされる女性は実に8割とも9割とも言われ、数多くの女性がその症状に苦しめられているのですが、実はその原因ははっきりと解明されていません。しかし、女性ホルモンのバランスが関わっているということはわかっており、PMS軽減の治療には低用量ピルが用いられており、低用量ピルを服用することで女性ホルモンのバランスが安定し、PMSの症状が軽減することもわかっています。

このように低用量ピルは避妊以外にも生理痛の緩和、PMS症状の軽減など女性のお悩みを解消する治療薬としても用いられています。